大学入試の物理を学ぶにあたってpart2

前回の「物理を学ぶにあたってpart1」では、数式の「和訳」についてお話しました。今回は「物理学」そのものに焦点を当てていきたいと思います。

part1で「物理」は「数式を使い計算して運動を求めるもの」という考えは半分正解であると書きましたが、なぜ半分かというと、入試問題における物理では計算をする作業が必要だからです。
では、問題集などで問われる「ボールを投げ上げたときの最高点の高さ」や「地面に達するまでに要した時間」をなぜ求めたいのでしょうか。その作業は何のために行うのでしょうか。

私は大阪の個別指導の塾「講師会」の物理を担当していますが、ボールがいつ落ちてくるかなんて微塵も興味ありません。
物体なんて勝手に落ちていてくれ、くらいに思っています。
物理の面白さはその作業の先にあるものなのです。
それをこの記事を読んでいる皆さんにも理解していただくために、物理学とは何なのか、その目的を考えてみましょう。

物理の目的、その答えは人がなぜ自然科学を探求するのかにあります

我々は、自分を取り巻く環境から情報を得て、イメージを作り、そのイメージに対して自分のとる行動を決めます。この「情報からイメージを作る」ことは生きていくうえでも基本的な作業だと思います。
自然科学とは、自然の情報を取り入れてイメージを確立する(理解する)ことだと考えています。
実際にそのようなことは可能なのでしょうか。

例えば、私たちを取り巻く宇宙は非常に巨大な存在ですし、石ころ1つをみても、凹凸や化学的な構成など様々な情報を持ちます。
自然には無限の情報が詰まっているのです。
つまり自然を理解するというのは、その無限の情報を取り入れてイメージ化することなのです。

しかし、我々の直径20cm足らずしかないタンパク質の機械である脳では不可能です。
物理の目的は自然の情報を脳で理解できるように圧縮することなのです。

次回の「物理を学ぶにあたって part3」では、具体的にどのような方法で圧縮するのかを入試問題に絡めてお話ししたいと思います。

大阪の個別指導の塾「講師会」 喜村 正樹
大阪の個別指導の塾「講師会」では生徒一人一人に密着した少人数での個別指導を行い、落ちこぼれを作りません。平均偏差値は1年で15~20UPしている実績があります。