大学入試の物理を学ぶにあたって part1
今回は大学入試における「物理」の勉強をするうえで、一つ大事な考えについてお話できればと思います。
大学入試における物理の問題では、「物体の速さ」や「物体にはたらく力の大きさ」を、数式を立て計算することによって求める値を計算します。
そのため、多くの受験生の方の中には、「物理」と聞くと、「数式を使い計算して運動を求めるもの」と考えている方が多くいらっしゃると思います。
それは半分正解です。(私なりの正解はpart2でお話したいと思います。)
実際、入試問題で問われたものを求めるためには、数式を立てて計算するほかありません。
しかし、このような考えがあるからなのか、物理で登場する式を「公式」として完全に暗記しようとする受験生が多くいます。
暗記がダメなのかというとそういうわけではありません。
問題で式を使うたびに、毎回毎回公式を導出するように教えられた生徒もいるようですが、時間制限の厳しい大学入試の問題でそんなことをしていたのでは時間切れになってしまい、受験に失敗してしまいかねません。
覚えていた方が早いに決まっています。
問題なのは自分が立てた式の意味が分からないまま問題を解いてしまうことです。
物理の式には意味があり(中には最終的な式の形だけを覚える式もありますが、そのような式をここでは「公式」と呼ぶことにします。)、物理が得意な人は数式を日本語で説明、すなわち「和訳」をすることができます。
例えば運動方程式というのは「質量の物体を加速度で運動させるのは力である。」といういわば「力と運動の因果関係」を表す式なのです。
これを「公式」として覚えてしまっている受験生は現役生も浪人生も、式は立てられるのにイマイチ理解できない、解答を見たらわかるのに自分では解けない、といった状態になってしまいます。
そして、解答を見て「なんだ、この式を立てればよかったんだ」と、また式を覚えようとしてしまいます。
それでは物理はできるようになりません。
物理において大事なのはただ式を覚えるだけでなく、その意味をしっかりと「和訳」できる状態にしておくことなのです。